「諸経費」「贈与税」「仲介手数料」は少しでも減らしたい人
マイホーム購入の際の頭金は一般的に物件価格の1割から2割とされています。
4,000万円の物件の場合なら、1割なら400万円、2割なら800万円となるのでかなりの高額負担。
頭金以外にも『不動産取得税』『手付金』『仲介手数料』などの諸経費やその他の費用が必要となるので、無理をして頭金を払わないほうが良いでしょう。
なお贈与税に関しては原則として年間110万円を超える贈与があれば課せられますが、住宅取得等では3,000万円まで非課税となる特例があります。
本記事ではマイホーム購入時に必要な頭金を『頭金なし』『100万円』『500万円』『1,000万円』の4つの場合で解説しています。
記事を読むことでマイホームを購入する際に必要な頭金と諸経費、そして贈与税についても理解でき、自分に合った理想のマイホームを購入するための方法がわかります。
マイホーム購入に頭金はいくら必要か?払える金額別に解説
本項目ではマイホーム購入(4,000万円の物件を想定)に必要な頭金を『頭金なし』『100万円』『500万円』『1,000万円』の4つの条件別に解説しています。
それぞれメリット・デメリットがありますのでしっかり確認しましょう。
頭金なしで済む場合
マイホーム購入時にかならずしも頭金を支払う必要はないので「頭金がないから購入できない」と諦めずにまずは不動産会社へ相談してみましょう。
あえて頭金なしのフルローンで購入することも可能ですが、頭金なしの場合ローン金利が高くなるデメリットがあります。
それにより毎月の返済が高くなったり期間が長くなったりしますので注意しなければいけません。
しかし手元に資金を残すことができるため、急な出費や近い将来必要となる教育費などを貯めておくことができます。
住宅ローン控除を最大限に利用することができるメリットもあります。
100万円の場合
貯蓄があり頭金として出せるのであれば使いましょう。
しかし、1年以上かけて貯金するのであればすぐに住宅を購入した方が良いでしょう。
100万円貯めるまでの賃貸住宅費を考慮すると総支払額はほぼ変わりませんし、場合によっては損をするデメリットもあります。
500万円の場合
100万円の場合と同様に、5年以上かけて頭金を貯めるのであればすぐに購入しすることをおすすめします。
5年間の賃貸住宅費を考慮すると更新費などもあるため、場合によっては頭金を貯めたほうが支払総額で高くなるデメリットもあります。
気に入った物件があってもなくなってしまうので、すぐに購入して繰り上げ返済を活用したほうが結果的に費用を圧縮できるメリットもあります。
1,000万円の場合
4,000万円の物件購入で頭金が1,000万円の場合、物件価格の2.5割となり平均より高額となります。
余裕資金としてある場合は良いですが、無理して頭金にする必要はありません。
突発的な出費のために貯蓄しておいたり投資で運用したり効率的に使うことをおすすめします。
また、頭金を抑えると『住宅ローン控除』を効率的に利用できるので、控除期間終了後にまとまった金額を繰り上げ返済するほうが良いでしょう。
今回、頭金が4つのパターンで解説しました。
下記に頭金なしと5年間500万円の頭金を貯めた場合の総支払額を表にまとめました。
「必死に貯めた結果、総支払額が多くなってしまう」こともあり得るので、十分に試算しなければいけません。
頭金なしですぐに購入 | 500万円の頭金を5年間貯めて購入 | |
借入額 | 4,000万円 | 3,500万円 |
金利 | 1.29% | 1.29% |
総返済額 | 4,972万円 | 4,351万円 |
頭金 | 0 | 500万円 |
賃貸費 | 0 | 768万円 |
総支払額 | 4,972万円 | 5,619万円 |
※家賃12.4万円(都内2LDK平均)、5年間と更新料2回分を想定(D-roomより)
マイホーム購入には頭金以外の諸経費は何が必要か?
マイホーム購入には頭金以外に諸経費も必要になります。
家具やインテリア、家電など新居に合ったものを揃える必要があり計画的な貯蓄も必須。
諸経費(4,000万円の物件の場合)の目安は下記の通りです。
購入物件 | 諸経費割合 | 目安金額 |
新築マンション | 3~5% | 120万円~200万円 |
建売住宅や中古住宅 | 6~8% | 240万円~320万円 |
注文住宅
(土地・建物の総額) |
10~12% | 400万円~480万円 |
マイホーム購入時に必要な諸経費例
- 印紙税:売買契約書に貼る印紙代
- 不動産取得税: 不動産を取得した際に発生する地方税
- 固定資産税・都市計画税::不動産の所有者が納める税金
- 登録免許税:不動産を取得時に登記にかかる国税
- 仲介手数料:物件を購入したときに不動産会社などに支払う費用(目安 物件価格×3%+6万円+消費税)
他にも各家庭の環境別に経費は掛かってきます。
頭金を決める際にはこういった必要経費も考えないと、せっかくの新居でも生活が苦しい状態が続き必ず公開してしまいます。
マイホーム購入時の頭金は贈与税が非課金になるか?
年間110万を超える財産をもらうと贈与税がかかりますが、住宅購入時に父母や祖父母から贈与を受けた場合に最大3,000万円が非課税非課税となる『直系尊属からの住宅取得資金贈与の非課税特例』を受けられます。
マイホーム購入時の頭金にも適応されますのでかならず申請しましょう。
この特例は、2021年12月31日までに住宅資金として贈与を受けた場合において、一定の要件を満たす場合に対象となります。
直系尊属からの住宅取得資金贈与の非課税特例受贈者の要件
- 贈与者直系の子や孫であること
- 贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
- 贈与を受けた年の所得税に係る合計所得が2,000万円以下であること
建物の要件
- 家屋の登記簿上の床面積(マンションの場合には、その区分所有する部分の登記簿床面積)が50m2以上240m2以下である
- 家屋の床面積の1/2以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるもの
- 贈与の翌年3月15日までに居住していること、又は居住することが確実に見込まれていること
ただし、中古住宅の場合は以下のいずれかを満たす必要があります。
- マンションなど耐火建築物は築25年以内、木造などは築20年以内
- 新耐震基準をみたすことが証明された住宅
- 購入後に耐震改修工事を行い、贈与を受けた年の翌年3月15日までに一定の耐震基準に適合すると証明された住宅
【結論】頭金を貯めるのは損!5年間我慢して200万損する例もアリ
マイホーム購入時に必要な頭金を支払うために、何年もかけて貯金をすると総支払額が高くなってしまうこともあります。
それは、頭金を貯めるまでの住居費が頭金の金額を上回ってしまうことがあるから。
とくに家賃補助が少ない人や都会に住んでいる人は要注意です。
家賃12.4万円の東京都の平均的な2LDKに5年間住んだ場合、744万円もかかります。
5年間で500万円貯めるのに744万円も支払うのは正しい選択でしょうか?
「がんばって貯めたのにじつは損していた」ということがないようにしっかり準備をしなければいけません。
『適正価格の見極め方』『賢いローンの組み方』『生涯の住宅費を2割削減する方法』など、マイホーム購入で損しないための基礎知識を学びましょう。
マイホームは一生に一度の大きな買い物です。
絶対に失敗できないからこそ、一度お金と住宅のプロの話しを聞いておくべきです。